HISTORY
OF
ChemMat

HISTORY 01

1907年(明治40年)
源流 官営八幡製鐵所 化工部

1901年(明治34年)に近代製鉄発祥の地・官営八幡製鐵所の操業が始まりました。その6年後の1907年(明治40年)に当社の創業である八幡製鐵所 化工部でタール蒸留が始まり、当社の歴史が開かれました。さらに1914年(大正3年)第一次世界大戦の勃発により医薬・染料等の輸入が止まった事で、国産化のニーズが高まり、その原料供給のためにタールの需要が高まりました。そして、第一次世界大戦後の不景気時代、満州事変から太平洋戦争にかけての軍事産業活況時代、戦後の混乱期、そして復興期と幾多の時代の浮沈を経て、多くの技術が発展・進歩しました。

HISTORY 02

1950年代
化学と鉄を結びつける

当時、安定成長していた鉄鋼業において、副産物であるタール工業は第二義的に考えられ一般的な地位は低く、化学工業としての発展はみられませんでした。しかし、タール量の増加や石油化学の進出、新合成化学分野への進出などに対応する為、タール工業のさらなる飛躍が叫ばれました。さらに、合成樹脂及び軽金属の発展や鉄鋼製品の軽量化により、鉄鋼の相対的な需要の伸びに限界が見え、また、合成樹脂及び軽金属の需要の伸び方が鉄鋼の需要の伸びを上回り、将来的に鉄鋼の占めるウェイトが下がることが予想されました。これらに伴い、八幡製鐵が将来も成長を保っていくためには、積極的に「化学」に進出していく必要がありました。タール工業を通じて「化学」と鉄鋼を結びつけることにより、それぞれの特色を活かした新しい製品を生み出すことで鉄鋼の需要も拡大すると考えられました。

HISTORY 03

1960年代
量から質への転換

1960年代に入ると、国際収支の悪化から一連の金融引締政策がとられたことにより、高度成長を誇った日本経済も景気の谷の様相を呈しました。こうした情勢に対処する為、COG(コークス炉オーブンガス)の有効利用が進められ、それまで以上に製鉄過程における副産物の付加価値向上に取り組むなど、量から質への転換が図られました。また、経営基盤の安定と生産性の向上を図るべく石油化学分野などへの積極的な進出と相当数の事業が企画され、実行に移されてきました。

HISTORY 04

1980年代
新素材事業の誕生

1980年代には、鉄鋼や化学をはじめとする基礎素材には、新しいニーズに応える機能性の高い新素材への展開が求められるようになりました。そして1984年(昭和59年)、八幡製鐵所 化工部からの歴史を持つ新日本製鉄化学工業(株)と日鐵化学工業(株)が合併し、新日本製鐵グループの化学セグメントを担う「新日鐵化学(株)」が誕生し、輝かしい次代を築く第一歩となりました。 マーケットニーズの変化を捉えた事業構造のスペシャリティ化・高収益化を目指すため、炭素材や電子材料、合成樹脂、工業用ガス、スペシャリティケミカル、特殊炭素品、潤滑材など新規事業への進出と共に既存事業の強化や国際化対応を実施してきました。

また、この時代は「鉄冷え」と「新素材への注目」を背景に、1984年(昭和59年)新日本製鐵(株)に新素材事業開発本部が発足しました。鉄鋼関連技術から新素材への応用を目指し、半導体関連を中心とする市場で多くの製品や事業基盤が作られました。

HISTORY 05

2000年代
成長事業の誕生

1990年~2000年代は、バブル崩壊や世界市場の拡大など激動の時代に見舞われました。この荒波の中、タール化学・石油化学分野における業界アライアンス及び事業再編並びに電子材料等の成長分野への経営資源の集中など事業構造の転換・事業領域の見直しを行いました。また、機能材料事業(将来の成長分野)への経営資源の戦略投入による一層の収益力向上へ向けて、芳香族化学の徹底追究と特殊機能を付与した、先進的な素材の創出を通して社会貢献を果たす高収益企業を目指して全力を尽くしました。

2006年(平成18年)に新日本製鐵(株)から新素材事業本部が分社化して、「小さくてもキラリと光る」新素材を社会へ提供する「新日鐵マテリアルズ(株)」が発足しました。製鉄事業で培った技術と経験を活かし、市場の成長が著しい電子産業部材分野、鉄を代替・補完する産業基礎部材分野、およびエネルギー・環境部材分野を主軸とする3事業分野で、先端技術を支える数々の「マテリアル・ソリューション」を提供し、業界での存在感を高めていきました。

HISTORY 6

2018年
鉄以外の素材を一元化

2018年10月 「新日鉄住金化学(株)」と「新日鉄住金マテリアルズ(株)」は経営統合し、新たな価値創造への第一歩を踏み出しました。両社の統合によって、主力であるコールケミカル事業と化学品事業を強化する一方で、新日鉄住金化学の芳香族化学合成・精製・配合等の素材設計製造技術と、新日鉄住金マテリアルズの薄箔・細線・微粒子等の材料技術を融合させ、日本製鉄(旧社名:新日鐵住金)グループが目指す総合素材対応力強化の一翼を担う体制を整え、「鉄以外の全ての素材」を一元的に取り扱うマルチマテリアル企業として「日鉄ケミカル&マテリアル株式会社」が新たな一歩を踏み出しました。

変遷図

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