研究・製品開発

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新用途を見出し、炭素繊維の持つ無限の可能性に挑む

2018年入社
専攻 / 材料工学
コンポジット事業部 コンポジット開発部
A・N

学生時代は建築工学の分野で構造設計と材料工学を学び、研究テーマは炭素繊維に関わる案件に取り組んでいました。そのため就職活動では、炭素繊維を土木建築に活かす仕事ができたらと考えていたところ、説明会で当社の会社紹介を聞き、私のやりたい事が一致する、イメージ通りの企業だと直感で感じたことを覚えています。

現在、私は炭素繊維複合材事業で製品をつくるための基礎〜応用分野までの開発業務を担当しています。具体的には、炭素繊維製品に使用する優れた材料を探索するということで、試験片レベルの試作や評価、製品化するための技術開発・製造方法の検討・試作、設計など幅広い業務を行っています。

幅広い可能性を秘めた炭素繊維

当社の炭素繊維の特徴は、ピッチ系といわれる炭素繊維を製造している点です。私たちが製造するピッチ系炭素繊維は軽くて剛性に優れ、一定の形を保ちやすく、たわみにくいなどの特性があります。そのため、優れた特性からピッチ系炭素繊維が従来の金属材料に代わる軽量化材料として注目を集めています。例えば、産業用ロボットアームに使用されており、ピッチ系炭素繊維の特徴を活かしてたわみによる誤差が生じにくく精密な制御が可能になります。また、熱に対して膨張・収縮しづらい特徴もあるため、温度差が大きく過酷な宇宙環境であっても形状を維持できることもあり、人工衛星の部品にも使用されています。他にもスポーツや土木・建築、電子部品など幅広い分野でなくてはならない存在となっており、さまざまな可能性を秘めていると思います。私の周囲でも「こんなことに活かせないか」など意見が飛び交っていて、創造する事を楽しみながら仕事をしている社員が多いですね。

また、炭素繊維複合材事業では素材をつくるだけでなく、お客様に対して「この構造物であれば、この種類の材料を、これだけ積層すると強度が保たれる」などを提案するコンサルティング業務も積極的に行っています。実は、素材メーカーでありながら建築事務所の肩書きもあり、建築の知識を活かせる場面も多く、社内には一級建築士の資格を持っている社員もいます。

挑戦し、発信するやりがい

今は、若手のうちにどんな仕事でもやってみようと考えています。得意分野以外のことでも経験しておくことで、新しい知識を習得することができ、さらに新しい人との繋がりが生まれ、今後の仕事に活かせる糧になるのではないかと考えています。また、上司や部長との距離感が近く、気さくにコミュニケーションを取れる風通しの良い環境だからこそ、失敗を恐れず挑戦できるのかもしれませんね。

現在の業務では、自分の成果が新しい製品の開発に直結することにとてもやりがいを感じます。成果や発見を特許や論文として発信できる場面も多く、私自身もこれまで複数の論文発表や、複数の特許を取得することが出来ました。

独自のノウハウで
新しい可能性を拓く

学生時代に研究していた頃、成果物を製品やサービスに替えて、どの産業へ応用するか等をあまり考えていませんでした。一方、会社ではどのような製品が社会へ貢献する材料となるのかを徹底的に考える必要があります。そのため、求める機能を実現するだけではなく、コストなど多角的な視点を持ちながら開発を進めます。自ら開発した製品が広く社会へ貢献していくためにも、様々な観点から考える必要があると感じますね。

炭素繊維は、繊維の種類や繊維の方向性などによって設計の自由度が無数に存在します。そのため、お客様が必要とする設計要件に対して、当社から解決策を提案する機会がとても多く、手と頭を動かしながら独自のノウハウを蓄積できているという手応えがありますね。今後の目標は、炭素繊維の新しい用途を発見すること、そして用途に合った新しい先端材料を開発することです。自分のアイデアを形にして新しい可能性を拓いていきたいですね。

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