技術系 座談会

チーム対談 TALK SESSION

当社の研究・製品開発の働く環境をお伝えするため
総合研究所 光学・ディスプレイ材料センターのメンバーに
「チーム対談」としてトークテーマに沿ってお話をお伺いしました。

  • S・Y

    総合研究所
    光学・ディスプレイ材料センター
    エスファイン技術グループ

    2018年入社。若手社員ながら責任ある仕事へチャレンジ。少数精鋭の環境下で技術力を磨きながら、日々、成長を遂げている。

  • T・K

    総合研究所
    光学・ディスプレイ材料センター
    エスファイン技術グループ
    グループリーダー

    刻々と変化する市場を見据え、所属するディスプレイ分野の研究・製品開発チームを牽引。風通しの良い環境作りと手厚いフォローで部下と共に成功を目指す。

  • T・Y

    総合研究所
    光学・ディスプレイ材料センター
    センター長

    豊かな経験と幅広い見識で光学・ディスプレイ材料センターの未来を成功へと導く。歴史ある自社の伝統を受け継ぎ、強みを活かして次世代を切り拓く。

  • M・N

    総合研究所
    光学・ディスプレイ材料センター
    エスファイン技術グループ
    研究員

    2008年入社。社内のジョブ・ローテーションの経験を通して、様々な材料開発に携わる。”素材を極める”という誇りを胸に邁進。

SESSION 01 総合研究所
光学・ディスプレイ材料センターについて

進行役

まずは、総合研究所 光学・ディスプレイ材料センターの概要や役割について教えてください。

T・Y

センターの名称からも分かるように光学材料とディスプレイ材料に関する研究・開発を担っています。この場にいるメンバーはエスファイン技術グループというチームに所属しています。

進行役

センター長以外のメンバーの方々は、エスファイン技術グループで活躍されているのですね。

国内外のメーカーから高い評価を得る
「エスファイン®」

T・K

そうですね。私たちのグループ名にもある当社の製品「エスファイン®」は、液晶テレビを始め、世界中のスマートフォンやタブレットなどにも多く使用されるディスプレイ向けのレジスト材料です。当社では、2000年代以前の”液晶ディスプレイの創成期”からこの材料の開発を進めてきた歴史があり、この分野においてトップメーカーの1つです。

T・Y

もともと液晶ディスプレイ分野は、国内メーカーが高い技術力でリードしてきましたが、近年は中国・韓国・台湾などアジアの諸外国が台頭してきています。グローバル市場への変化に伴い開発要求レベルも高まっていますが、私たちはコストも含め製品レベルを着実に向上させることで技術的にも高い競争力を維持し続けており、今後も開発難易度が上がるにつれて、当社のさらなる強みを発揮できるのではないかと考えています。

M・N

その中で、もちろんコスト的な要求もありますが、私はそれ以上に高付加価値化が求められていると強く感じます。特に最近では、スマートフォンを中心にディスプレイの主流が液晶から有機ELに移行しつつあると言われていますよね。有機ELディスプレイには薄さ・軽さ・曲げられるなどの新しい特徴がありますが、その製造過程において熱を掛けにくいという制約があります。そのため当社の有機ELディスプレイ向けのレジスト材料は、高い熱を掛けずとも機能が発現するよう工夫しています。このようにレジスト材料に求められる性能は用途によって様々で、私たちはお客様のニーズを的確に把握しながら開発を進める必要がありますね。

数年先の市場を見据える
未来をつくる

S・Y

これは私が感じる研究・開発という仕事の醍醐味なのですが、日頃、私たちが開発を行っている素材は、例えば、このような材料が欲しいと言われてからお客様の製品として市場に流通するまでに数年の月日が掛かるということも決して珍しくありません。逆に言えば、私たちは市場の数年先を見据えて、日々、開発を進めているとも言えますよね。最終製品が市場に出回るまでは、メーカー各社も極秘に開発を進めますから「あのときの依頼は、この製品のためだったのか!」と後から驚くことも多く、とても面白いですね。

優れた製品群を生み出す
アイデアの源泉とは

進行役

日頃の業務の中で、アイデアはどのように生まれるのでしょうか?

S・Y

やはりポンっと出てくるわけではありませんね。お客様との日々の対話や当社営業とのコミュニケーションの中など、様々なシーンで周囲からの投げかけに対して、私たちは日々、どのようなアプローチができるのか模索しています。

T・Y

それに刺激がなければ良いアイデアも生まれませんから、社内での研究や学びだけでなく、積極的に社外の学会や展示会にも参加し、自身の課題に応用できないかという視点で捉え、アイデアのタネを温めながら業務に活かしていく活動が大切ですね。

T・K

開発者として日頃から数多くのアイデアを吸収し温めておくことで、タイムリーに自分のアイデアを活かしてお客様の要望に応えることができるし、開発者としての成長にも繋がりますよね。

M・N

これは研究・開発者に限らないことかも知れませんが、私は“何事も自分一人で抱え込まない”ことも大切だと感じています。アイデアや知見だけでなく、案件に取り組む姿勢もそうですね。私たちの仕事では、ときには所属する研究・製品開発だけでなく、製造などの他部署、社外に知見があるという場合も多くあります。だからこそ、常にオープンな姿勢でスピーディに周囲と協力・連携しながら仕事を進められるというスキルは研究・製品開発だけでなく、とても重要なことではないでしょうか。

T・Y

そうだね。例えば、当社の基盤技術センターに相談すれば、自らの専門領域を超えて様々な分析評価が可能だし、新たな解析方法を提案してもらうことだってできる。研究・製品開発にとって大きな強みだし、活かしていかなければもったいないよね。

失敗は成功への道筋を照らす光

進行役

チームワークという観点から、研究・製品開発を担うチーム・組織として何か大切にしていることはありますか?

T・Y

よく研究・製品開発では「千三つ」と言われます。もちろんテーマにもよりますが、基本的にはトライがなければ成果は生み出せない。生みの苦しみはあるものの、研究・製品開発を担うのであれば「決して失敗を恐れないで欲しい」と思います。

T・K

そのために私たちは、“失敗しても報告しやすく”という雰囲気作りを常に心がけています。私たちの仕事は、失敗から得られる学びが想像以上に多い。だからこそ、失敗を積極的にチームで共有する。そして、その失敗から新たな展開をイメージできることがとても大切だと感じています。

M・N

たしかに当社では“失敗したから責められる“というようなことは本当にないですね。失敗からどのように学び、前進させるのかという点が、共通の価値観としてチームに浸透しているため、しっかりフォローし合える組織になっているのかも知れません。

S・Y

私も失敗を“単なる失敗”だと思っていません!失敗を自分の糧にする。皆の知見に繋げる。行き詰まったら周囲に相談する。精神的にも落ち込んで過ごす日々よりも、プラスに切り替えて次に向けて取り組む方が楽しいですからね!

T・K

素晴らしい心掛けだね!(笑)

SSESSION 02 若手社員の成長環境

進行役

次に、成長環境について、是非、若手社員であるS・Yさんにお伺いできればと思います。

S・Y

そうですね、やはり親身に相談に乗ってくださる先輩・上司の方々がとても多いと感じます。これは私が就職活動中にお会いした当社の社員の方々から受けた印象と変わらないですね。少数精鋭を掲げる中でも、周囲の手厚いサポートを受けながらチャレンジできていると感じます。特に、私は入社1、2年目から開発テーマに関して責任ある役割を与えられて取り組む場面が多くあったのですが、プレッシャーに負けることなくやり遂げられたのは周囲の支えがあったからだと改めて感じます。

T・K

少数精鋭だからこそ、部下にテーマを与えてからは若手社員であっても”まずは自分の考えで行動してみよう”と伝えています。その上で、私たち上司は相談に乗りながら軌道修正を行うことが役割だと考えています。

進行役

お互いの信頼関係がとても大切なのですね。

仲間と呼吸を合わせて
仕事をするということ

T・Y

毎年、新しい仲間との出会いがあり、そこから互いの信頼関係を築くまで思いのほか時間を要することもありますが、掛かった時間の分だけより深い信頼関係が築けているように思います。”呼吸を合わせて共に仕事をする”ことは研究職でも礎ですね。

M・N

だから、風通しが良いですよね。私たちのグループでは、一人ひとり担当顧客を持った形で仕事を進めていきますが、もし何か確認したいことがあれば、すぐに上司に気軽に話しかけられる距離感の近さを感じています。

T・K

良かったよ!性格は人それぞれだけど、相談できずに一人で悩んでいるメンバーはいないと思います。

S・Y

T・Kさんは、よく冗談とかも言ってくれますよね(笑)!

T・K

雰囲気づくりを意識しているからかな(笑)。でも、このグループに入って良かった、働きやすい、と共に働くメンバーには思って欲しいと考えています。

T・Y

T・Kさんは技術的な観点だけでなく組織的な成長を考えた上でリーダーシップを発揮してくれる、信頼して任せられるグループリーダーです。

T・K

ありがとうございます!

受け継がれるDNA「聞く力」

S・Y

そういえば、当社は上司の方々のことを役職ではなく、名前に「さん」付けで呼ぶことがとても多いですよね。そこも上司との距離感が近くなるポイントかも知れません。

T・Y

言われてみればそうだね。今、私たちの世代ではどうだったかと入社時を思い返しながら話を聞いていたけど、やはり昔から上司との距離感は近かった。それに部下の話を親身に聞いてくれる方が多い。例として、私が若手社員だった頃に上司が話し始めた際、ついつい私も同時に話し始めてしまったことがあったんだ。でも、そのときに上司がピタッと話を止めて、まずは部下である私の話を聞いてくれたことが今でも印象に残っているよ。

S・Y

当社の「聞くDNA」は昔から受け継がれているのですね。私自身も後輩と話すときには、何事も否定から入らないことを心掛けています。もし話の途中に誤りがあったとしても、最後まで話を聞いてから改めるようにしています。最初に否定することは、コミュニケーションの活性化に繋がらないですから。

M・N

たしかに当社はコミュニケーションを大切にする社員が多い印象があるね。特に、私たちのグループでは研究・製品開発業務だけでなく、技術サービスと呼ばれる顧客対応もあり、そのためにグループ内での研究・製品開発に留まらず製造、品質管理、営業など幅広い部署との関わりや、関係会社からお客様に至るまでとても多くの方々とコミュニケーションを取る必要がありますし。

SESSION 03 技術者として働く当社の魅力

進行役

技術者として、日鉄ケミカル&マテリアルで働く魅力は何でしょうか?

M・N

個人の裁量が大きい点だと思います。さらに個人の実現したい想いを会社が理解し、研修制度や教育制度も含めて成長できる環境を整えてくれている点も魅力ですね。

当社のジョブローテーションの取組みも、とても魅力的な成長機会だと思います。実際に私も入社後に研究から営業へと配属されました。当時は、まだ分からないことばかりで試行錯誤の日々を過ごしましたが、その経験が自分の大きな成長に繋がったと感じています。

S・Y

あとは当社が開発した素材が、社会のあらゆるシーンで活躍していることも魅力の一つですね。普段の生活でも、私たちの製品が身の周りに溢れていることは技術者としてすごく嬉しくなりますね。

T・K

日常生活で手に取るような製品に、私たちの製品が使用されていることは技術者としてやりがいを感じやすいポイントではないかなと思いますね。「世の中に貢献できる開発」というのは技術者であれば誰もが取り組みたい仕事の一つだと思いますし、普段の生活で目に見えてそれが感じられることは、当社の良さだと思います。

私も、地元の家電量販店に行っても当社の素材が使用されている製品に対してはどうしても愛着が湧いてきますよ(笑)。

M・N

それに私たちのような化学・素材メーカーの研究・開発者にとっては「素材を極め、未来を拓く」という当社の基本理念はとても共感できるところではないでしょうか。

技術力で世の中に貢献し社会をもっと良くするために、一つの材料を様々な角度から検討し付加価値の高いものへ昇華させ、それによって人々の生活がより豊かになる。この言葉には、素材から世の中を変えていくという力強いビジョンを感じます。

T・Y

事務系職種であっても技術系出身の社員が多く在籍するのも当社の特徴の一つですね。会社全体として技術職に対しての理解が深く、長期的な目線でじっくり研究・製品開発に打ち込めるという機会も多くあると思います。

M・N

たしかに営業職にも技術系出身の社員が多く在籍していることは、当社の強みであり、技術者としても働きやすい環境ですね。

「有機と無機の融合」を加速

進行役

最後に、センター長より今後の抱負をお聞かせください。

T・Y

当社には、有機と無機それぞれのエキスパートが所属しています。互いに持っている知見やこれまでの実績を活用し合いながらシナジーを最大化して、当社独自の製品群を作り上げていきたいと考えています。

スピーディに変化する社会の中で、私たちに求められる素材も変わっていくでしょう。その中で、従来にない特性を持った素材を創出していくという点においては、私たちにとって「有機と無機の融合」はとても重要なキーワードとなると考えています。

All rights reserved.NIPPON STEEL Chemical & Material Co., Ltd.